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悲しみは乗り越えるものではない・・・ [雑談]

あの日から6年・・・
 
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もうすぐ愛娘の七回忌。
初七日、四十九日、一周忌、三回忌を終えた頃の自分は、まだまだ愛娘の死を受け入れていなかった。小さな子どもを見ると胸が苦しくなり、「何で俺たちなんだろ・・」と自問自答を繰り返した。



想像を遥かに超えた恐怖。
我が子を失った後の喪失感は、とてもじゃないけど経験した人にしか分からないだろう。



悲しい、寂しいという感情だけではなく、突然襲われる孤独感、不安、気持ちが落ち着かず眠れない日もあった。心が休まる日はなく、いつも疲れていた。その結果、人の幸せを素直に喜べなかったり、イライラしたり、好きなことをしても楽しいと感じることさえできない自分がいた。



自分が自分じゃないみたいで、少しずつ心が崩壊していくのが分かった。もちろん、このままではダメだと思っていたし、そんな自分が恥ずかしかった。



1日でも早く、この状況から抜け出す方法を考えた。
“強くなるしかない”

“乗り越える”



この2つの言葉が脳裏をよぎった。
気持ちが沈み、笑顔になれない日があれば、呪文のようにこの言葉を唱え、自分の心を誤魔化していた。だけど、「そもそも子どもの死を乗り越えた先に何があるのか?」私は何も分かっていなかった。





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過去には戻れない・・・
 
子どもの死を乗り越えたら、悲しみが消え、楽しかった日常に戻れると思っていたのかも知れない。しかし、現実は何年経っても後悔は残るし、記憶から消し去ることはできない。



だったら答えはひとつ。
我が子の死を受け入れ、悲しみとの共存しか考えられない。そう考えるようになってから気持ちは楽になった。



この先、さらなる時間の経過と共に考え方が変わるかも知れないけど、我が子への想いだけは何があっても変わらない。



愛娘が旅立ってから6年。
今ではみんなと同じように笑ったり、◯◯の景色がきれいだとか、◯◯の料理が美味しかったと聞いたら、「行きたいなぁ。」と思うようになったし、実際に出掛けている。客観的に見たら、何ら以前と変わらないように見えるだろう。



だけど、今でも心では思っている。
愛娘と一緒だったら、「もっと、もっと楽しかったんだろうな・・って。」


新しい自分・・・
 
いつまでも家族や友人たちに心配を掛けられないから、無理に明るく振る舞うようになり、いつからか自分の気持ちを誤魔化すのがうまくなった。



たまに「本当、適当!(笑)」と言われるけど、それで良いと思っている。以前の私は、どんな小さなことにも真剣になり過ぎた。ちょっとした頼まれごとにも真面目に向き合い、それ以上の成果を残そうとした。



逆に期待に応えられなかった時は、必要以上に落ち込むこともあった。きっとストレスを溜めやすい性格だったと思う。その点、今は楽だ。



これを気持ちのコントロールと言えるモノなのかは分からないけど、この6年間で大きく変わったところ。言い方によっては、強くなったとも愛娘との死別を乗り越えたとも言える。



親しみを抱いた言葉・・・
 
まだ子どもを亡くしたばかりで、悲しみの真ん中にいる人に伝えたい。無理に強くなろうとか乗り越えようとしなくていい。泣きたければ泣けばいいし、頑張れなければ、たまに休むことも必要。



“強くなる” “乗り越える” というような言葉にはパワーが溢れているけど、うまくいかなかった場合、それがプレッシャーとなって空回りすることもある。子どもの死から立ち直る方法はひとつではないから、自分に合った方法を見つけて欲しい。



私も自分の体験が全て正しいとは思っていないし、押し付けるつもりもない。ただ当ブログに辿り着き、この記事を閲覧しているということは、当時の私と同じ状況下に立たされている人もいるだろう。



この言葉はネットで偶然見つけ、親しみを抱いた言葉。
“悲しみは乗り越えるものではなく、大切に抱きながら生きていくもの”



まさにその通り。
愛娘が体験した苦しみ、痛み、恐怖を考えたら、喪失感から早く抜け出したいと思っていた自分が恥ずかしい。むしろ、時間と共に愛娘の無念を忘れてしまうなら、いつまでも悲しみという形で、ずっと心に残るのも悪くない。



ただこんな風に言えるのは、6年が経つ今だからで、また同じことが起こったら、次は全てを投げ出してしまうかも知れない・・・。











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