愛娘の誕生! [出産]
愛娘の誕生!
2011年10月27日、午前3時23分・・・
私たち家族にとって、最愛の娘が産まれた!
2971gの丸々と太った女の子。
しかし、その娘からの産声を聞くことはなかった・・・。
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出産予定日は、2011年10月26日!
10月最初の妊婦健診の結果、妻が管理入院することになった。
その理由は、妊娠高血圧症候群ではないものの、血圧が少し高かったことや出産まで3週間を切っていたことから、万が一に備えての入院だった。
私は毎日病院へ通い、妻と一緒にお腹を擦りながら、
『もう少しで会えるね!』
とお腹の娘に語りかけていた。
もうすでに妻が入院をしてから3週間弱が経過し、減塩の味気ない入院食を食べ、妻の血圧は順調に下がっていた。
妻は食べたい物を我慢し、毎日空腹と闘っている。
この10ヵ月間、必死にお腹の子を守り続けた妻への感謝の気持ちとして、退院したら好きな物を食べさせたい・・・
そして、体調を崩しながらも頑張った妻にサプライズをしたい・・・
私は喜ぶ妻の顔を思い浮かべながら、出産までの数日を過ごしていた。
2011年10月26日、午後5時!
私は仕事が終わると、真っ直ぐ妻の入院する病院へ向かった。
病室にいる妻は何ら変わりもなく、味気ない入院食を食べていた。
多少お腹の張りはあるものの、面会時間が終了する20時になっても陣痛はこなかった。
私は自宅待機となり妻に見送られ病院を後にしたが、帰りに見た妻のお腹はパンパンに膨らみ、陣痛がいつきても不思議ではない状況だった。
2011年10月27日、午前2時過ぎ!
携帯電話が鳴り、私は妻の陣痛が始まったと思い急いで携帯を手にした。
看護師 『奥様の容体が変わったので、今すぐ病院に来ていただけますか?』
私 『分かりました、そちらにすぐ向かいます!』
病院は車で15分くらいの所にあり、「妻に陣痛がきたので、出産に備えてください!」という電話だと勝手に思っていた。
しかし、病院まであと数百メートルのところで、また病院からの着信があった。
何だか、胸騒ぎがした・・・。
看護師 『まだ病院に着きませんか?急いでください!』
私 『もう少しで着きます!』
病院で待ち受けていたモノとは?
病院に到着すると、夜間救急入口で私を待っている看護師がいた。
開口一番、看護師の口から信じられない言葉が発せられる・・・。
看護師 『このままならお腹の赤ちゃんの命が危ない!今先生が病院に向かっているので、到着次第、すぐに手術します!』
私 『どういうことですか?状況を教えてください!』
看護師 『赤ちゃんの心音が弱くなっています!早く出せないと!先生たちが来る前に手術の同意書にサインしてください!』
私の頭の中は真っ白になり、言葉を失ってしまった・・・。
看護師から手術の説明をされながら手術同意書にサインをしていると、やっと続々と医師たちが集まりだした。
私を発見した妻の担当医は、再び手術の説明をしようとする・・・。
それを聞いていた妻が堪らず、
『そんなのいいからっ!早く赤ちゃん助けてっ!』
と叫び、やっと緊急帝王切開手術の開始!
待合室での待機時間!
私は手術室前の待合室に案内され、手術同意書を読んでいた。
しかし、妙な胸騒ぎと先の見えない緊張感、手術室から聞こえる慌ただしい音が邪魔をして、手術同意書の内容が全く頭に入らない・・・。
だけど、私には愛娘の生命力を信じることしかできなかった・・・。
『絶対大丈夫・・・、絶対大丈夫・・・。』
と無事に元気な産声を上げ、私に抱かれる娘のことを思い浮かべながら待った。
手術開始から30分くらいが経過し、待合室にいた私が呼ばれた。
待合室を出るまでの数秒間、
『頼む泣いてくれ!産声を聞かせてくれ!』
と心の中で祈り続けた。
しかし現実は厳しく待合室の外には産声を上げず、人工呼吸器を付けられた娘の姿があった・・・。
続く・・・
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2014-01-14 01:09
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